<「病院らしからぬ病院」の意味>
急性期の病院建築はシステムや合理的な機能性が重視される.一方「回復期リハビリテーション病院j において,いわゆる「病院らしか
らぬ病院Jの雰囲気が求められるのは, 「体j の回復とともに「心Jの建てなおしの場でもあるからである
今回特に意識したのは,①界隈性(回遊性)を持ち,巡る風景に変化があること(無機的でないこと) ②明るい空間に包まれていること③スタップの姿が生き生きと感じられる空間性能をもつこと④優しさを演出する照明などである.あずまリハビリテーション病院が立地する名古屋港の敷地周辺には,高層の集合住宅や事務所ビル,倉庫など大柄の建築が,明快な規則性を持たずに建っている.色彩も多くは白茶系や薄灰色など無難でやや唐突に派手な色も混じり,調和のとれた景観形成はこれからの楳題といえる街並みである.よって周囲の規模の大きな建築に負けないスケーノレ感のある形態でありつつ,人の営みを感じさせる要素をも合わせ持つ建築づくりを目指した.具体的にはカーテンを閉めなくても日除け効果を獲得できる外壁から離した南面の白壁,エントランスへの道ゆきを彩る病院のシンボ/レカラーで染めた耐候性鋼板とタペストリー加工を施したデザインガラスー外壁は透明感と光沢のある特注青磁色磁器質タイノレを平滑と波模様入を水平な帯状に貼り分けるなど-.回復期リハ病院では,患者の自立を支援する, Dr. Ns. PT. OT. ST.MSW. CWなどのスタッフも病棟・リハ階を拠点、とし,それぞれの得意分野をもって強力なチームアプローチを行う点も急性期病院との顕著な違いである.他職積との情報の共有化,お互いの専門性を理解しつつ,一人ひとりの患者に連携の取れた医療行為を施すため,①一体感を醸し出す空間のなかで,スタップ同士が声を掛、けやすい雰囲気②閉じ職種あるいは他職種とも,切磁琢磨しやすい環境整備③スタッフにとっても温かみを感じる室内外のデザインなどにも配慮した。
所在地:愛知県名古屋市
構 造:鉄筋コンクリート造 地上6 階
規 模:敷地面積:2231 ㎡ 延床面積:5415 ㎡
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