敷地は葉山御用邸にほど近い風光明据な海浜にある。前面は岩礁であり岩に砕ける波の音が快よい。このような海岸線は万人のものであり、「いかにこれらの海岸線や風光になじむ建物を建てるか」ということが先づ考えられなければならない。1階が居間、食堂、更衣等の公共部分、2階を会議、宿泊室に使っているが、2階の諸室を大屋根の中に納め、外観からは屋根裏部屋のある平家建のような住宅的スケールにしたのはそのためである。その他にも背景の山脈に融和する緑色の瓦屋根、海岸線へ張り出した敷地や道路になじんで轡曲する建物の形態なども環境に対応するデザイン手法として用いたものである。落着いた雰囲気、都会を離れた珍らしさを併せもつこの建物は研修に来訪する海外の人達にも喜ばれている。
所在地: 神奈川県三浦郡葉山町一色字三ヶ岡2285 (現存せず)
構 造: 鉄筋コンクリート造地下11渚地上2階
規 模: 敷地面積 2,202.300㎡ 建築面積 459. 306㎡ 延床面積 760. 588㎡
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